カランセの妖精
丘白月


羽の先に春の色を塗って
冬に咲いて人の心を温める
蘭の妖精は見るものすべて
自分と同じ運命にしたがる

瞳の淵に打ち寄せる涙は
あなたの勇気を鮮やかにする
乾いたままじゃ進めない道がある

カランセの羽根の音が聞こえる
蝶の歌声が聞こえる
あなたが歌うから妖精も歌う

譜面模様の花びらが
一枚一枚また一枚開いて
春に指揮されるのを待っている

涙と一緒に流れた
コンタクトレンズはいらない
妖精が言ってた
メガネのほうが似合うねって
妖精医院から目薬もあげるよって



自由詩 カランセの妖精 Copyright 丘白月 2020-02-19 19:09:33
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