こたえは明星
日々野いずる

群青が朝焼けに変わるときに
だんだん息をひそめ
呼吸は浅くなり速くなり
人混みの中にいるような酸素の薄さで
白い水蒸気が多く立ち上り
私の息苦しさが君に届く、だ、なんて
言葉をうしなってもう
何年か経つけれど
君に言いたいことだけ
溜まって
こたえの明星が光るという
夢想にすぎる空想が
胸を締めつける
180度の青空が
180度の夕方に消えて
青が赤に混じり
思い出深い紫の宵闇を目に刻む
散り散りになる私の宝物を
かき集めていたのも
忘れてしまっていたのに慌てて
薄情に生きている自分への
失望が深く
君に出した手紙の数は
忘れていく証の数だって、なんて、
なんだか疲れてしまったな
と笑いあったのが遠く、遠く遠く遠く
何もかも夢である

誰か言ってくれ


自由詩 こたえは明星 Copyright 日々野いずる 2020-02-19 13:42:28
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