午後のピアニスト
ミナト 螢
最後のフレーズが肘に当たる
跳ね返ったままの音符を集め
登り始めた鍵盤の山を
降りて来るのはいつになるだろう
指先が転んでも立ち上がって
ピアノの芯を叩いた後には
花が散っていくように終わりたい
午後には続きがあるほど
綺麗な空を知らずに音が沸騰した
世界は僕を切り離していく
貼り忘れた切手が踊るくらい
手を動かしたらその分だけ
繋げなくなった人を忘れるの
さよならと一緒に貰う言葉に
僕はまだ返事ができなかった
自由詩
午後のピアニスト
Copyright
ミナト 螢
2020-02-19 08:06:48