遥か遠くに
こたきひろし

性格の明るい人と
性格の暗い人が何で存在するのか理解出来ません

それがもし生まれつきの個性だったら
それを
不公平の極みとしか判断できない私は
もしかしたら心の浅い人間かもしれません

明るい性格と
暗い性格を
ありきたりな大人として
正と負で捉えてしまう傾向に充ちてしまうからです

性格の明るい人は
人から好かれやすく
反対に暗い人は
嫌われやすいと
単純に
型に嵌めて判断してしまうのです

さて
自分はどうかというと
ひとことで言ってしまうと
暗いです

過去を振り返っても
子供の頃から人見知りが激しく
簡単に他者と打ち解ける能力を欠いていました

それは家族間の中にいても抜け出せない
子供でした

おそろしい事に
血の繋がりのある関係においても
親になつかない子供と
よくなつく子供は
親の愛情の温度に差が生まれるんですよね

そうやって育って大人になった私は
当然の結果として
暗がりばかりを歩いてきました

陰鬱な性格
華奢な体つき
いつも何を考えているのかわからない存在として
疎外され
無視され
ひたすら自己防衛の手段と選ぶしかなかった
自分の殻に閉じ籠る
気色悪い存在

貴方の貴女の回りにも一人や二人はきっといたでしょうね

そのうちの一人が私でした

自分で自分を嫌いになってました
鏡のなかを覗くの嫌いでした

なのに
自分は奇跡に恵まれました
私を救ってくれる女と出会いました

そうじゃありません
彼女も私によって救われたのです
お互いがお互いを救いあったのです

籍を入れました
夫婦になりました
子供が産まれました

家を買いました

私の家族の完成です

それは嘘です
簡単に家族は完成しません

大変な努力と思いやりと忍耐を重ねなくてはなりません

その道草に
こうやって
志しを低くして
詩なんて書いてる私は
どうなんでしょうね
自分でもよくわからない

理解出来ないです
でも生来の性格の暗さに
明るい兆しが見えているのは
たしかです

最後は
この人生に万歳したいな
昭和生まれの
昭和育ち

遥か遠くに夜が明けて
朝陽が昇る姿
を見るような気分です

人生
過程は多種多様でも
行き着くところはみんないっしょ
公平じゃないですか

いっしょなんですよね
その事に気がつかなかったわ
ずっとずっと

他人と自分を比較して
嫉妬したり
悩んだり苦しんだり
今もそれは変わらない

相も変わらない生活苦に神経は磨り減るし

でもねでもね
前向きに生きていられりゃ
行けそうな気がするからさ
このデコボコの道も
デコボコを乗り越えて





自由詩 遥か遠くに Copyright こたきひろし 2020-02-16 08:11:00
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