ミナト 螢

使い捨てカイロを落としていく
それは伝えられなかった言葉
それは多く貰い過ぎた釣り銭
行き場のないものを踏み締めるのが
過去だと思って歩いて来たから
足跡はやがて発火するだろう
古いかさぶたを剥がすように
触れたら痛くて舐めたら熱い
その赤い傷跡が道になる
まるで生乾きの太陽だね
まるで自転車のブレーキだね
溶け出すチョコレートに
白い包帯を巻いて登った
未来は舗装された道の前で
縄跳びを回そうと決めて
ゴールテープみたいに
端を持つ人を探しに行こう


自由詩Copyright ミナト 螢 2020-02-14 09:38:06
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