ハッピーチョコレート
都築あかり

きみの発する言葉ひとつひとつから
ぼくの体温を感じ取って、
それは甘ったるくて
しつこくて粘ついていて、
どうもぼくの世界には
合わなかった

それだけだったのに
今は無性に味気ない

また求めてしまうぼくは無力だ

他人に分かるわけなんかないのに
分かったような顔をして
中毒、依存

テンパリングされていないチョコレート

ただ溶かされて型に嵌め込まれて
今日もそんな鎧を被ったりして

1ミリも綺麗なんかじゃないそれを
ぼくときみは互いに分け合って
それが、それでいて幸せだった

着飾ることが嫌いな女の子はいないよ

本当のぼくなんてきみがいないと
無味であることを証明しているように

もっと丁寧に温度調節されるべき
恋というものがそこにはあった


自由詩 ハッピーチョコレート Copyright 都築あかり 2020-02-13 22:33:18
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