鬼灯少年
瀧石夢真

ある所に少年がいました
少年はいつも元気に暮らしていました
朝早くから起きて水を汲み
それを終えたら鶏の卵を取りに行き
そして、母親と一緒にご飯を食べる
それが少年の日常でした

村の人達も少年をとても可愛がっていました
そして、いつも少年は褒められると
顔を真っ赤にするのです
そんな姿から彼はほおずき少年と
呼ばれるようになりました

そんなある日、突然少年の母親が死んだのです
少年はずっと泣いていました
少年は一日中ずっと泣き続けました

次の日、少年は嘘をつくようになりました
ある時は、誰かが倒れたと嘘をつき
ある時は、狼が来たぞと
とある時は、自分が病気にかかったと

それから村で少年は
虐められるようになりました
時には川に落とされ
時には石を投げられ

それでも少年はずっと笑っていました
ずっと一人で笑い続けました
そんな姿を見て、村の人はこう言いました
鬼灯ほおずき少年と






自由詩 鬼灯少年 Copyright 瀧石夢真 2020-02-13 06:34:02
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