月の墓標
ミナト 螢

ぱちん
爪を切る時に
一瞬で飛び出して
翼を持っていたことに気づく
指を離れた途端に
合図が伝わらない部品になり
何も掴めなくなったな
誰も笑わなくなったな
僕達この先どこまで行こうか
使い捨ての命じゃないから
白い翼のままで生きていける
三日月の中で夜を過ごそうよ
影だけ見えれば疑われなくて
時々お風呂に入って
誰かと一緒に眠れば良いさ


自由詩 月の墓標 Copyright ミナト 螢 2020-02-10 08:10:53
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