butterfly
ミナト 螢

桜の花びらが二枚で羽根に見えた
歓びや哀しみを抱き寄せるまでは
淡くて滲みようが無くても
いつかは誰かに触れて変わりたい
空が広いほど遠くなる未来
そんなの本当は嘘でしょう
心に街を創れば
誰かが会いに来てくれると言って
夢を見ている時だけは
目を開けて少し光る
黒いスカートの影の下で
地獄から這い上がって来た
蝶みたいに誰かを愛せるかな
桜の方がふわふわとして
自分に似ていたのだけれど
前に進める風を纏うのなら
大きくて綺麗な羽根が良かった


自由詩 butterfly Copyright ミナト 螢 2020-02-07 07:57:17
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