白い天国
ミナト 螢

ひかりは僕の体に絵を描いた
実物よりも大きな手のひらが
誰かを包み込めるような
強くて優しい人になれるかな
頭を撫でたり指を絡めたり
言葉じゃなくても伝わる仕草を
幾つ持ったら安心できるだろう
想像の力に任せながら
ふたりで歩く練習をしている
空の上に借りた天国で
転ばないように腕を組んだら
スケートリンクの氷が溶けて
白いひかりになって降りてゆく
これは涙にとても良く似ていて
懐かしいと思うほど歳を取った
生まれ変わるならまた自分が良い
ありきたりだけど消えない
ひかりの記憶を覚えて来たから


自由詩 白い天国 Copyright ミナト 螢 2020-02-03 08:12:37
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