黄昏に疼く走馬灯
viraj

22歳のとき、あらゆる義務をはたしおわり、あらゆる劣等感に打ち勝って消えることのない自信を手にした。

あの時、的を貫いた。

今、再び、神の門の前に一人立つ。

トラウマが疼く。

俺をここまで強くしてくれた傷だ。

あれからもう8年以上たった。

どのようの幸福もねたまないくらい強くなった。

でも、美しいものの多くは儚げで弱いね。

多くの前世がフラッシュバックした。

ホームレスとして、愛犬とともに生きた人生。

あの日、イヌがしんだ日、心が裂かれる思いであった。

美女として多くの男をたぶらかして生きた人生。

フリーセックスという抑圧の日々。

権力者を手玉に取った僧侶としての人生。

田舎から大望を持って権力の座までのぼった。

私の心の痛みとして、今感じる。

あの日、君と身体が絡み合い、官能の中に、生きる自身と喜びを得た日々。

切ない愛欲と嗚咽とともに、儚く命を散らした貞女の人生。

そして、今、私は、やっと完全に私になれる。


復活だ!

私は弱い。

自分からこんなことを言うのはずるいね。

私は限界を、適性をしっている。

同時に私は、強い。

私の内なる女は強い。

それは内部に寄生しており、私という殻を食い破った。

それは、私の死を望む。

透き通った死臭が、門の前に立つ私を包んでいた。

 






自由詩 黄昏に疼く走馬灯 Copyright viraj 2020-01-31 21:03:40
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