時計
ミナト 螢

記念日でも無いのに
貰った時計に理由が欲しくて
安物のクォーツだけど
初めて認められた気がした
感謝を伝える気持ちまで
あと少し飛べたら良いけれど
ありふれた言葉も急いだままで
何かを果たすような勢いだ
ずっと大切にできるかな
素直になれた瞬間を知った
家族だからこそ分かる
恥ずかしいと思いながら
背伸びをしたらダメなんだよ
小さな手首で約束を守り
それでもいつかは窮屈になる
悪いことをしなくなっても
時計の針が落とす音に
胸を膨らます日が来るだろう


自由詩 時計 Copyright ミナト 螢 2020-01-28 08:08:29
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