夢追いびと・年負いびと
存ゑくべる
シャッターの降りた渋谷駅
俺たちはいっときの往生に浮かれ騒いでいた
生きることがあまりに長すぎて
なのに
なんの気まぐれか
俺はひとりになった
真夜中の交差点
で
ひとり撥ねられる
たったひとりで撥ねられ
て
Nobody だけが唯一の目撃者だった
ふらふらと立ち上がった若者は血にまみれ
て
壊れた腕時計をぼんやり見つめた
流れる血液と泡立つ喧騒の泥中
で
ひとりきりに始発の電車を待たなければならない
明けそまる街に取り残され
て
また、自分を置き去った夜を恨む
降りたシャッターにもたれて吐気に耐えるしかない俺は