野良犬
秋葉竹

青い制服が似合う学生さんが
足早に過ぎゆく川岸
うずくまる野良犬
声も出せずに
いつだって逢いたい心に
吹く風は早くおいでと誘なう
さいはての孤独地獄へ、とか
ハハ。

今日だけは子供に戻り
キラキラと輝く瞳を鏡で知る
けれど明日はまた灰色
流れる川の水に憧れます、とか
ハハ。

いつまでも鉄が錆びずにいられないように
いつかは錆びつく失恋を何度繰り返すのか
バッカみたいだあたし、ホント、バカだ
バカ。


彼女に触り続けたかったバカ、
それに憧れた罰を受けよう
陽も高い鮮やかな土日に逢うと罪になる恋
闇の住人の、最後は燃え尽くす絶望しかない
ありきたりな恋のエッジは悲しく
ただ正しいのは彼女の方だろう、じゃね?
くそ(下品ですみません)。


懐かしい田舎を想い
地平線のかなたを見る
そんなまっすぐな眼差しで生きられたら、
なんてね、羨ましくて。

あたし、こんな匂いしてたかしら?
って、悩むバカひとり、ばかり、ここにいて。
彼女の匂いがもうしないこの部屋の
優しい時間は終了していて
そして『行きて戻らず』の旅に出るのが
彼女の最期の願いだとか?

それは彼女に訊いてくれ、それは。







自由詩 野良犬 Copyright 秋葉竹 2020-01-25 07:15:40
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