作用と副作用
こたきひろし

不老の薬
不死の薬

もし開発されてしまったら

それ以外の薬はきっと売れなくなるだろう

病院は閉鎖されて
斎場も葬儀屋も墓地もこの世界から消えてなくなるに違いない

そうなると地上は満員のすし詰め状態になってしまうから
出産は抑制されて、自然淘汰されるだろう
たとえ産まれてきても、母乳に不老の成分が混じるから成長はしないし、人工のミルクにも同じく成分が添加されるようになるから
結果は同じようになるだろう
トニモカクニモ支離滅裂でややこしくなるだろう

生殖の機能は退化し、性行為は意味をなさなくなるかも知れない

そうなると結果的に地上から性差がなくなる
可能性が高い
ベッドを男女が軋ませる事もなくなるだろうな

そうなる頃にはタイムマシーンも完成されて
時間旅行が流行るだろうな

そうなると誰も未来を旅先に選ばないだろう

選ばれるのは
勿の論
不老と不死の薬がなかった時代の方だ

あんたの頭の中には蛆虫がわいてるよ
酷い妄想だね。
相変わらず
女の扱い方は下手くそだし、自分さえよければそれでお仕舞いにするし

それでいて偉そうな口きくし
女一人満足させられない役立たず
のくせに
のほほんと
詩なんて書いてる場合じゃないわよ

そんなキツいこと言うなよ
俺だって俺なり必死に頑張ってるんだからさ
詩はね。俺の楽しみ。ささやかな趣味だよ。

なんて時代に戻りたい訳だ

踏んだり蹴ったり
踏まれたら倍踏んで
蹴られたら倍蹴り返す
そんな時代に

それが男だろ
男は強くなくてはダメダメ
弱虫は女々しくて
キモいだけ
そんなフクザツ怪奇な時代にさ

ああ
言いたい事言ってスッキリした


自由詩 作用と副作用 Copyright こたきひろし 2020-01-23 00:26:31
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