シュリークルセダー
孤蓬

トンネルの中は思いのほか明るい。

狭い路側帯を魚になって辿るのだが、
裏道だというのに、随分と車の通りが多いのだ。

魚はやけになって大声で臨津江림진강を歌う

世永せいえいどころか松山でもない金玉금옥

鱗を掠めて
 車やバイクが
  ひっきりなしに行き過ぎる

        囂囂囂囂囂囂
     囂囂囂囂囂囂囂囂囂
   囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂
  囂囂囂囂囂囂 車 バイク
 囂囂囂囂囂囂 ひっきりなし
 囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂囂
 囂囂囂囂囂囂 ひっきりなし
  囂囂囂囂囂囂 車 バイク
   囂囂囂囂囂囂 鱗鱗鱗鱗
     囂囂囂囂囂 臨津江
        囂囂囂囂囂囂

   いくら声を張り上げても
 歌は籠められ少しも響かない

 表に抜けると廃線の軌道。
 先の倉庫群は煉瓦の冠毛。

歌声は
聞こえるか聞こえないかのハミングに変わる
ハミングの表面をなぞりつつ鳥が自由に南に渡る。


自由詩 シュリークルセダー Copyright 孤蓬 2020-01-22 20:56:17縦
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