泡の味
都築あかり

コーラ、その黒い炭酸飲料が
泡をたて、音をたて
カフェインをわたしの脳内へと誘う

その1つ1つの泡の中には
きっとわたしの中の
鬱憤、憤り、怒り、悲しみが
こもっているのだよね

そして君への優しさや温もりも共に

それらもみんな一斉に
コーラ色のような感情として
飲み込み、消化され
体内から排出させる

その1つ1つの気泡を
咀嚼してみたい

その泡の気体の中には
なにが埋まっているのだろう
どんな味で満ち溢れているのだろう

1つ残さず噛んでいたら
そのうちにそれらは
もう口内から無くなってしまって

残ったものはあの独特な後味と
その後のきみとのキス

きみにはどんな味に伝わるの?

コーラ味のキスで
僕の愛情は伝わっていますか


自由詩 泡の味 Copyright 都築あかり 2020-01-22 06:37:05
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