熱の色
まーつん

赤は一番派手な色
身体の内をめぐる色
目立たぬように歩みを運んでも
一皮むけば飛び散る血潮
命の滾る熱の色

だから、
冷たい振りなどするな
表情を捨てた仮面を被るな
撫でれば悶え、叩けば泣いて
身体を丸めて喉を鳴らすか
牙を剥いて吠え猛る
そんな心を隠せはしない

火にかけられた水のように
意識はたやすく沸騰する
赤い血潮がその証
生まれながらに熱い奴

ヌルい春よりアツい夏
涼しい秋より凍る冬
極みの果てを知りたがる
懲りないやつらの寄せ集め

神も見放す健忘症と
仏も激怒する思い上がりの
醜く愛らしいでくの坊

そんな我ら
人間ども



自由詩 熱の色 Copyright まーつん 2020-01-19 10:43:41
notebook Home 戻る  過去 未来