広がる波紋
卯月とわ子

物音がしない家
誰もが寝静まった時間
わたしだけが動き、音を鳴らす

見えない波紋がふわふわと広がって
音を響かせる

誰も起こさないように、静かに
そう気をつけていたって
キーボードをたたく音は響く
思うよりも大きな音で

見えない波紋がまた広がっていく
心地良い夢の中に居る貴方の元へ
その頃にはもう静寂に飲み込まれるのだろうけれど
でも波紋は広がっていく

静寂を切り裂いて
静寂に飲み込まれて
わたしの波紋はどこまで行くのだろう


自由詩 広がる波紋 Copyright 卯月とわ子 2020-01-08 04:14:02
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