帰り花の妖精
丘白月


黄昏に見つけた帰り花
あなたの好きな白い花
雪を踏む音がいつまでも
歌っているように離れない

季節外れの桜が散りそうで
妖精にたずねてみる
花をひとつ雪に包みたいと
花を連れて帰りたいと

妖精は枝に座って笑ってた
雪をほどくと部屋が香る
溶けた氷に睡蓮のように浮かべ
時間をまつり縫いする



自由詩 帰り花の妖精 Copyright 丘白月 2020-01-07 21:52:14
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