梅の妖精
丘白月


ずいぶん待たせたね
傘に積もる雪
踏み固められた足跡
肩越しに白梅が夕日に染まり
タンポポの綿毛が息で溶ける

抱きしめてしまえば
肩に滑り落ちる雪
雪の中に春がいる
梅の妖精がかくれてる
誰もが誰かを待っている

ちぎれた雲が降るように
千鳥の群れが入江に帰る
紅梅の妖精は夕日生まれ
朝日に生まれた白梅探してる
遠く揺れる潮騒を聞きながら



自由詩 梅の妖精 Copyright 丘白月 2020-01-07 21:51:39
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