朝になっても歩き続ける
Lucy

吹雪はやんだ
静寂が深々と夜を沈めている
遠くで
プテラノドンの悲鳴が響く
ただ一度だけかすかに
電車の警笛のふりをして

吹雪の中をどれくらい歩いただろう
自分の足跡を見つけた時
完全に道に迷ったと気づく

ビバークするべきか
それともこのままぐるぐる旋回しつづけて
奈落の底へ降りていくのか螺旋階段
それとも逆回りして
浮上を試みるのか眠い
寝たら死ぬぞと
自分に言う

とっくに吹雪はやんでいる

ただ道に迷っている
遠くでたった一度だけ
プテラノドンが叫びをあげる

静かな夜だ




自由詩 朝になっても歩き続ける Copyright Lucy 2019-12-17 06:51:02
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