那由多
ミナト 螢

見えない星の先を想うほど
遠くなる息は綺麗に積もり

まだ呼んだことのない
あなたの名前を
銀河へ流したビー玉みたいに
探しに行くの

無数に広がる玄関の靴が
夜空で私を待っているから
つま先が冷んやりとしても

掌に書いた文字を覚える
あなたの、或いは、誰かの名前が
刻まれた手相の線の上で

二重に見える星座の形が
声になり繋いでいく心で
運命を飛び出して行けるのか


自由詩 那由多 Copyright ミナト 螢 2019-12-07 14:54:17
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