LOVEらぶラブ
こたきひろし
極めて良質で純度の高いLOVEと
そうでもないLOVEの度合いを計測する有向なキカイがあらわれたら
世界は大きく揺らぐだろう
もし
そんなキカイがあらわれたら
相当
世界は混乱するだろう
だとしても
男と女の体の欲求は滴りおちてくるから
ひとつに重なって
理性の裸電球は粉々になって飛び散ったら
そこに心なんて実体のつかめないものが
入り込んでくる隙間は埋まってしまうのに
変化はないだろう
と推測される
そこには
生殖と言う厳然とした法則が横たわっていて
男はおのれの遺伝子をばら蒔きたいし
女は遺伝子を選択して受け容れようとする
自然を基本的には拒否できない
筈だったが
人間だけはバスコントロールを神から与えられて
避妊をゆるされている
だから、
LOVEらぶラブ
たとえ
男と女の関係にひとかけらのLOVEが
存在しなくても
うふふの境地にたどりつけるのさ
たとえそれが
行きずりの恋
わんないとLOVE
だったとしても
誰にそれを咎める資格があるんだ
なんて
書いてはみたけど
俺には
どこまでも
ないものねだりさ