二十歳
ひだかたけし

秋の匂いがする

貴女に言った

私、季節そのもの天空大気が
それぞれの匂いを放つと思ってて

そうしたら貴女、怪訝な顔して
これ金木犀の匂いだよ、って
通りの家の庭先まで連れてって

私が愕然としている傍らで
貴女、腹抱えて笑っていた

二十歳、

季節の報らせ誘う匂いの渦。


自由詩 二十歳 Copyright ひだかたけし 2019-11-27 21:27:54
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