戦略と戦術
幽霊

なぁ必要な死ってあるよなぁ…

鬱蒼とした言の葉ジャングル
ぬかるんだ足元で慎重に歩を進める
聞いたこともない鳥の鳴き声
苔を踏んでこけそうになる
緑に視界を潰され
いつ、どこから、どんな言葉が飛び出してくるか予測困難
お前はもう俺の詩の中
すべては俺の意のままだ
どうだ!?

突如!謎の痛みが襲う
お前は自分の身に何が起きたのか理解が追い付かない
価値観から血が滴る
言葉の跳弾がお前の価値観をかすめたんだ
遥か遠くの茂みから舌打ちが聞こえる

俺は呼吸を止め再度スコープを覗く
腰を低くして頭を抱えるお前を捉えている
揺れるターゲット、狙いが外れまた定める
お前は気づかない
引き金に指をかける
まだ気づかない
次の瞬間!銃口が比喩を叫ぶ
比喩は空間をねじりながらターゲットに一直線
肩に命中!価値観に着せた防弾チョッキを貫通
まるでフィギュアスケートみたいにスピンして吹っ飛ぶ!!
血は感嘆符として飛沫を上げて空中に赤いピリオドが散らばった。

なぁ必要な死ってあるよなぁ…
生まれ変わるには死が必要だからな。


自由詩 戦略と戦術 Copyright 幽霊 2019-11-27 07:07:36
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