三日月
ミナト 螢

ハチミツを垂らしたような首輪で
繋がっている空を眺めると
どこかで優しい声が聞こえる
月の砂漠に迷い込んでいた

あれが好きとかこれが嫌いとか
輪っかを投げるうちに出会ったから
正面を向く時は見つめ合って
瞬きもせずに伝えられるの

何かを信じて生きてきたなら
人の目を気にするより笑おう

月が吠えたら青ざめた空は
輝いていなきゃ認められない

飲み込んだものを吐き出すように
詰まらせた思い苦しいでしょう

星の画鋲に刺されて生まれる
涙色の虹は毛布になる

潜り込んだ温もりの間で
寝返りを打って外れた首輪が
私の部屋のドアノブになって
あなたが来るのをじっと待ってる


自由詩 三日月 Copyright ミナト 螢 2019-11-22 06:41:54
notebook Home 戻る  過去 未来