空白の闇の少女
秋葉竹



その呪いの
暗い
ほんとうをしっている

赤い血のゆめを吸い込んだ少女
街をさまよう顔のない亡霊

聴こえない声が
君の名をよぶ気がする
しろくつめたいガードレールは
どんなに飢えた獣の叫びからも
君を守ってはくれない

もう終わりなどない
死者どもがもういちど
墓へ帰ってゆくのだとしても

屋上から
天へとびあがる
キズついた魂をやさしく
撫でて癒してあげるのも
君を守るための
闇の少女の
裸の心の
献身なのだから

もう
なやまないで






自由詩 空白の闇の少女 Copyright 秋葉竹 2019-11-19 23:55:16
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