kと言う生存者
ナンモナイデス


木立の間にはkたちがいて、
秋の陽のいっぽんの光線を見つめている。
アクビばかりしているけれど、
朝焼けだか、夕焼けだか、
それがわからない。
光線の中にはオレンジ色の微粒子が、
血球のように浮遊したりしている。
kは過去には生存していた。
未来にもkはアクビをするだろう。
現在kは生存しているのだろうか?
アクビの間、kは生存しているのだろうか?
自分の顔を知るには分身する必要がある。
しかしいったん分身してしまうと、
いくら似ていても分化した顔となる。
生存するとは未分化でなければならない。
多くのkが未分化でなければならない。


自由詩 kと言う生存者 Copyright ナンモナイデス 2019-11-19 21:11:27
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