薄暗い町
mmnkt
薄暗い町になり
日も落ちないうちに
車はライトをつける
年季の入ったシャツは
悲しみを吸い込む
雨はスカイダイビング
それも一斉に
真っ直ぐに
特攻隊のように
果たしたかったのは
栄誉のためだったか
今となっては分からない
過ちだけが確かで
物置に眠る絵画
それでも繰り返そうとしている
この雨のように
降っては止み、また降り
諦めの悪い子供のように
植樹された木が
小さな木が
公衆便所の脇に立っている
その悲劇を
木は未だ黙っている
運命論を
自然は語ったりしない
自由詩
薄暗い町
Copyright
mmnkt
2019-11-18 20:17:48