nrbq
はだいろ

「妻のトリセツ」という本を、買ってちょっと前読んで、
うろ覚えで、
昨日、妻の話を聞いていても、
つまり、妻の求めているのは正解ではなく共感なのだ、
という原則に従おうと努力はしたのだ。

だけど、いつまでたっても、
話の行き先は見えず、
まるで息を止めて水に潜る訓練のようで、
何を言いたいかさっぱりわからず、
共感をこっちへ持っていくべきかあっちへ持っていくべきかわからない。
適当に相づちを打てば、
適当だと腹を立て、
結局のところ、「ほっとけば」と結論付けてしまったので、
もう妻はブチ切れで、
子供のように泣き出す始末。


異種格闘技戦に、
ルールはもともとないのだから、
どちらかがどちらかに合わせるしかないのだろう。
そして、
少なくとも、僕は歩み寄ろうという内省は伴ってみたのだけれど、
なぜ、
妻は内省しないのだろう。
それがわからん。
お互い内省すれば、
あるいは思いやりの範囲内で穏やかに過ごせるのではないか。
いやいやそもそも、
穏やかに過ごすなどというのは幻想、
だってこれは最初から格闘技なのだから・・・?


妻は起きてこないので、
早めに出かけて、
スパイスカレーの新しい店を開拓しようと遠出したのに、
財布を忘れてしまった。(カード不可の店だった)
仕方なく、遠回りしてレコード屋に行った。
nrbqのレコードを安くで買った。
ちょっとレコードを買いすぎなので、
(もちろん妻は知らない)
当分、控えようと思う。

そういえば、
昨日買ったレコードは、高かったのに、
帰って開けてみたら、
レーベル面に、
◯◯さんんへ、とマジックペンでサインらしきものが書かれていた。
ほかの人に向けたモノみたいでがっかりした。
その〇〇さんも、何らかの事情で、
(もしかしたら妻と離婚してお金に困ったのかもしれない)
このレコードを手放したのだろう。
今では僕のレコードなのだから、
名前のところをマジックペンで黒々と消した。
いい気持ちはしなかった。











自由詩 nrbq Copyright はだいろ 2019-11-17 14:28:54
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