恋人を待って
丘白月

宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう

あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない

目を閉じて
一瞬で過去の風景に色がつく
すべての時間が動き出す

私は宇宙に溺れるように
息ができないまま
涙を流星にする

まぶたにあなたの唇が触れた
満たされる穏やかな
愛という名の永遠の時

暖かい春の日差しにも似た
あなたの温もりが
いつまでもまぶたに残る

まぶたを開けるのが怖い
でも今度はあなたは消えない
私の手を握っているから


自由詩 恋人を待って Copyright 丘白月 2019-11-17 07:59:38
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