距離とベル
mizunomadoka

私たちは夜道を歩いてる
月明かりを頼りに

遠い世界から雷雨がやってきて
私の両耳をあなたが両手で塞いでくれる

夜中に目が覚める
部屋の中で風が吹いてる

私の髪はまだ濡れていて
未完の手紙が机の上に置いてある

ジャスミンが揺れる

私の夏はあなたの冬で
彼女は雪の墓地に立ってる

長かった髪を短くして
麦畑のような輝きはもうない

ビスケット缶を手に持ってる
まるで子供みたいに

小さな十字架の雪を払って
彼女は遠くを見つめる

彼女の目は透明で氷の月のよう

私はあなたに電話をかける
別の宇宙でベルが鳴る








自由詩 距離とベル Copyright mizunomadoka 2019-11-12 22:04:55
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