冬の夜を越えて
田中恭平

竹は冬のさむさにふるえ
月はあっさりと罪状を申し述べる
濃すぎる世界、
に反吐を吐いてしまいそうで
ぼくは帰りを急いでいる

彼は約束のときのなかで
電話ボックスのなかで
永遠のよう
ぐったり
しっかり収まって
眠りについている

帽子に百円を投げ入れて
その路上を通過するとき
精神の高揚は
冬のさむさに反発するように
高まる
うつくしすぎるのだ、
夜の光りが

家について
シャワーを浴びて
濃厚な世界を
洗いながす
排水口は詰まりそう
時間をかけて
洗いながす

濃厚なのは
これから訪れる
夢の世界だってそうだから
小休止
しているのだ 
ぼうと
テーブルの上の花を眺めて

 


自由詩 冬の夜を越えて Copyright 田中恭平 2019-11-09 19:59:54縦
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