僕とバスキア展
番田 

誰にも会わなかった日の午後
思い浮かんだ 友達との日々 だけど 顔は忘れていた
僕は夢ばかりを見ていたからだろうか
だけど 夢は僕に 一体 何を与えてくれたのだろうか


六本木でバスキア展を見た
そして帰る 通りの暗がりの中で 目にする
今でもそこにある僕が踊っていたクラブの看板
あの頃 友達と交わした 無邪気な言葉を思い出す


あの日 並んでいた 大きなバスキアの絵
きっと それは 中学の頃だったのかもしれない
僕が一人で出かけた美術館
友達の女の子の声を そこで 確かに 耳にした


もう僕は ミュージアムショップには寄らないけれど
CDを手にすることも もう なくなってしまった
胸を焦がした バンドが鳴らしていた 熱い音
揚々としたサウンドがラジオからは毎日のようにこだましていた



自由詩 僕とバスキア展 Copyright 番田  2019-11-06 08:44:19縦
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