恋愛詩
Giovanni

風のすっかり止んだ朝
あなたと僕とは 
公園のベンチの見える辺りで
昨日の雨の激しさを思い出した

いつのまにか あなたがポケットに忍ばせた
淡色の宝石が 太陽を透かす
哀しい石鹸の香 シャボン玉
僕は両腕を 空に向けてゆらゆらと延ばす

あなたは 約束を忘れた子供の様に
いつまでも 無邪気な遊びを止めなかった
言い伝えの人魚の様に 止めどもない奔流の様に
繰り返し繰り返し 嬌声をあげながら 

きれいだね ああ どこまでもきれいだね
高く上がった あの 向こうの空は
ニッケル色に煌いた あなたと僕との佇みが
いいのにね ああ 終らないといいのにね


自由詩 恋愛詩 Copyright Giovanni 2019-11-05 14:30:05
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