だきしめるようにして
万願寺

恋が痛いのは私が地球を代表しているからで、私が地球を代表することで困る人は誰もいない。青い細長いボトルみたいなんだよ、かみさまの見つめてた大草原に落ちていた空気の瓶は。空気はそこから生まれ続けて、草原に吹く風を作り続けて、そんなに勢いもない空気のはずなのに不思議だねってコスモスたちが言っていたら、その空気はやっぱり只者じゃなかった。私達、ボトルが欲しかったわけじゃない。私達、息ができなかったわけじゃない。風に吹かれてもただ揺れるだけで、未来も命も感じなかった。でもそのボトルの青さだけが正で、その為にみんなは生きてますって言われたら信じるしかなかった。私達、うえの次元にさからうことはできない。
だからユーモアで一矢報いようと、しているうちになんだかみんな仲良しになってしまって現在に至る。
仲良きことは美しき哉。うつくしいけれど、やっぱりちょっと、ボトルの空気は少なかったかな。女の子達って、時にすごく呼吸をするんだよ。


自由詩 だきしめるようにして Copyright 万願寺 2019-11-04 02:57:23
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