自分史(音楽事務所勤務時代 2 ー チケットセンター)
日比津 開

 入社してチケットセンターに配属され
た。音楽事務所の事業内容は海外からピ
アニスト、バイオリニスト、オーケスト
ラなどのアーティストを招聘し、地元の
東京では自主公演(手打ち公演)をサント
リーホールなどで開催し、それ以外に
オーケストラにソリストや指揮者を入れ
たり、地方のホール、会館の主催公演に
アーティストを入れていた。

 例えば、イタリアのイ・ムジチ合奏団
は、ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲
「四季」の演奏で非常に人気があり、
東京ではサントリーホール、東京芸術劇
場などで3、4回の主催公演を行い、売り
公演で地方の自治体のホール、会館が合
計10数回から20回前後開催する。

 自主公演はチケットの売れ行きで興行
収入が左右されるが、売り公演は1回に
数百万円から数千万円の固定的なギャラ
が入るので、リスクはなかった。イ・
ムジチ合奏団が1度来日すると、億単位
の売上となり、会社の業績に大きく貢献
していた。

 音楽事務所は海外からの招聘と所属の
日本人奏者にどのくらい有力、人気アー
ティスト抱えているかが勝負で、神原音
楽事務所は社長夫妻はじめマネージャー、
広報宣伝、チラシ・ポスター、プログラ
ム制作、チケットセンター、総務など合
計20人前後で、20~30億円規模の売上
があった。

 配属となったチケットセンターでは、
普段はチケットの電話予約の受付が主な
仕事で自主公演開催日にはホールで当日
券を販売する。部長以下5~6人体制で
チケットセンターは運営されていた。


散文(批評随筆小説等) 自分史(音楽事務所勤務時代 2 ー チケットセンター) Copyright 日比津 開 2019-11-03 06:04:06
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