赤い鳥
ゼロハチ

ここからいなくなってしまったのだろうか

赤い鳥

崩れ落ちていく
たくさんの魂と一緒に


雨はいつか赦すのだろうか

生まれては消えていく

哀しい哀しい
自分自身を


あの時 

私と、たくさんの人が選びとったもの

いつか正しくなると信じたもの


青すぎる空に立ち上っていく

真っ赤な意思の結晶体


赤い鳥の飛び去っていく様を

私たちは見ていた



赤い鳥

いつかきっと戻っておいで


何度灰になっても

私たちは負けることなどないのだから



この目に、この肌に

たくさんの記憶を宿して生きているから


私たちは祈らない


手を鳴らす

手を鳴らす


私たちは歌い、踊り続けて手を鳴らす

天をかき混ぜ命を呼ぶ


胸の中に、数えきれないほどの海を隠して



海の向こうからやってきたときも

皆同じように指笛を吹いただろう




赤い鳥よ 


愛しているよ


何度灰になったとしても


私たちはあなたを呼ぶよ




自由詩 赤い鳥 Copyright ゼロハチ 2019-11-01 00:21:19縦
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