止まずの風吹く
秋葉竹


アレをする
理由がほしい君が好き
なのですからと、ちゃんとアレする


夕焼けの
死んでしまったこの街で
天使のふたりを信じたバカ有り


空の下
全てが青く染められそう
鼻の奥まで、そして泣きそう


海を見た
突き刺さるほど寒い眼を
テトラポットの上で凍らせ


真夜中の
わかれを忘れたこともない
アイツの名だけ、忘れた気になる

夜空には
輝く星と暗き黄泉。
息を吸うつど忘れる楽園。

君だけが
好きだといってきた夜の
原初にもどってただ風になる



傷おった
胸にはバカが住んでいて
絶対愛を見たよと言い張る


殺したい
ほどの好きならなんどでも
はだかで見せてあげたじゃない



ありえない?
ふたり生きゆくささやかな
相思相愛みたいな友情


寒い朝、
天使のドクロをかつてみた
あのときいらい、止まずの風吹く






短歌 止まずの風吹く Copyright 秋葉竹 2019-10-29 22:46:14
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