肥沃な土と渇いた荒れ地そして平凡な土壌には
こたきひろし

肥沃な土にまかれた種子
渇いた荒れ地に落ちた種子
そして平凡で普通な土壌で芽吹いた種子

その数の比率を数字にするまでもないだろう
平凡で普通が大半を占めている

それは

人間の社会の実態にも当てはまるだろう。

生まれた家
育った環境

人は誰もその出自を選択はできない

しかし
肥沃な土に豊かな実りを期待できても
それは約束には至らない

不毛な荒れ地は
不毛がゆえに無限の可能性を秘めているかもしれない

果たして私は
平凡と普通であったのか
わからない

不平と不満の種子は尽きない

それは肥沃な土に育まれても
不毛な荒れ地にしがみついて育ったとしても
基本的には何も変わらないだろう

それが人間で有ることの証明かも知れない

人は誰も一ヶ所では
とどまってはいられないから



自由詩 肥沃な土と渇いた荒れ地そして平凡な土壌には Copyright こたきひろし 2019-10-29 06:31:46
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