人はたいがい
こたきひろし

たいがいの人は
生きている為の良好な条件が損なわれてしまうと
生きている事に嫌悪感を覚えてしまう傾向が表れてしまうようだ

もちろん例外はあって
逆境にこそ生きる闘志を燃やして前向きに突き進む人もいないわけではない

そんな人は普通
強靭な精神力が備わっている
しかし
それを上回る健康不良に見舞われたら
いかなる
強靭な意志も虫に喰われてしまうかも知れない

悲しいかな
私は強靭なものなんて
なにも持ってないのだ

生きていく良好な条件が損なわれた時の
冷たい風にも
冷たい雨にも
からきし
弱くて脆いのだ

簡単に希望を失うと
生きる事に嫌気をさしてしまう
でもいつも
けして絶望迄は至らない
宙ぶらりんな状況
それは
単純に臆病なんだからだろう


だけどその度に死への恐れが怖れが畏れが
いつもそれをはるかに上回るので
そして
命への執着がはるかに上回るので

生き続けているんだよ
生きているんだよ




自由詩 人はたいがい Copyright こたきひろし 2019-10-28 06:39:26
notebook Home 戻る  過去 未来