たとえ詩が書けなくなっても
こたきひろし

たとえ詩が書けなくなっても
たしかに生きていくのには
困らない

だけど詩を書きたいと言う思いは
私の切なる欲求

時に心に石ころが詰まっても
叶えたい欲求

たとえば
公園の花の群れに
蝶が一匹ヒラヒラと飛び回っていたとしても
私は詩への欲求を棄てられない

たとえば
駅のホームに快速電車が滑り込んできたとしても
私の詩への欲求に変化はない

たとえば貴女が
貴女の方から唇を奪って来たとしても
私の切なる詩への欲求は
棄てられない

たとえ私の心の引き出しが
砂で埋まってしまっても

私の詩への欲求は
止まらない


自由詩 たとえ詩が書けなくなっても Copyright こたきひろし 2019-10-26 07:02:04
notebook Home 戻る  過去 未来