無題
おぼろん

星になれるのなら、死んで
星になってしまおうと、ささやくのは
誰? 私という、古びた、下葉の上へ
雨粒がきれいに虹になって降りる。
崩れていた古城の壁、
流れていた、街中まちなかの涙、

私はバス停で待っていました、
どこかで知らない期待を待ち受けている、
私を待っていました。

アナタを待っていました。
アナタを望んでいました。
アナタの願いがかなうことを、
夢が晴れて、市道アヴェニュの上に切り開かれること……
音立てて、音立てて、鈴音かき鳴らしながら。
私は忘れはてて、死んでしまおうかと思いました……


自由詩 無題 Copyright おぼろん 2019-10-24 17:15:32
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