届かない愛の掃き溜め
卯月とわ子

貴方の為に存在するものならなんでもいいの

そのテーブルのマグカップでも構わない
わたしが貴方の役に立つのなら
わたしが貴方に必要とされるなら
代えがきくような存在では居たくないって
貴方に出会って強く思うようになってしまったわたしを
なだめるように撫でていかないで
余計に想いは強くなるし
その先で貴方を傷つける未来が見えてしまったもの
二人は二人のまま
交わらない平行線だと頭では分かってる
でも心は受け入れてくれなくて
今すぐにでも口から吐き出して貴方に押し付けたいと思ってしまうの

届かないなら届かないと諦められてしまえばいいのに
わたしって本当に馬鹿
こんな事で泣くくらいなら貴方と出会わなければ良かったなんて思うのだから
わたしって本当に馬鹿
そんな思いが浮かぶたびにその現実を想像して怯えるのに

貴方の為に存在するものならなんでもいいの
わたしの首をかき切る銀色のナイフでも構わない
貴方がわたしを終わらせてくれるなら
痛みだって愛だと錯覚するから


自由詩 届かない愛の掃き溜め Copyright 卯月とわ子 2019-10-23 15:19:10
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