秋、一雨ごとに
日比津 開

雨がやっと止んだ
久し振りの晴れ間に何をしよう?
映画「雨あがる」にあったように
足止めを喰っていた旅を
再開するのが良いかも知れない

まず気鬱をすべて取り除いて
心も晴れやかにしたい
しかし、今度の旅はまったく
急ぐ必要がない
足取り軽く、ゆっくり歩んでいく

いまときは、まさに秋
深まる季節に景色は
日ごと変化し
紅葉のグラデーションが
ついには世界を一変させる

私にとっては人生の秋でもあり
冬を迎えるまでに
すべてを備えておく必要がある
いま心を豊かに蓄えたら
次の季節、厳しさにも耐えられる

雨、晴れ、雨、晴れ、雨、晴れ…
季節の秋、人生の秋に
旅を急がなければ
一雨ごとに楽しみが深まり
収穫もましてゆく


自由詩 秋、一雨ごとに Copyright 日比津 開 2019-10-23 02:25:43縦
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