かさぶたソネット
じおんぐ

気怠い色で澱む部屋の
暖かい風を吐く窓際
当てもなく呼吸しながら
かさぶたに爪を立て

血が溢れないように
恭しく祈り
取り返し得ない時間とともに
ひと思いに掻き切った

きっと傷口は
空気に触れた方が早く治る
私はそう信じ

かさぶたを外に散らして
流れてゆく分身よ
陽ざしの中で地に還れ


自由詩 かさぶたソネット Copyright じおんぐ 2019-10-13 23:35:05縦
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