シーツの赤月
容子

  

  制服の短いスカートから伸びた二本の白い柔肌の足

  繭糸を紡いでできた足の線混ざりけのない清潔な線

  きず口を塞ぐかのように押し込んだあなたのそれは何かを語った

  繋がったわたしはあなたを包むたび伴う痛みに小さく鳴いた

  夕焼けの真っ赤な空が滲み込みシーツに浮かぶはわたしの赤月

  真っ白いシーツに佇む月一つ生温かく脈打ちゆらぐ

  悪い子ねシーツの月は呟いて鋭い三日月わたしを刺した

  ごめんなさいあなたの娘は先程に自ら望み体を汚した

  檻越しに丸まる兎の目に似てる真っ赤に濡れたわたしの両目

  赤色に染まってシーツに栄える月隠れるわたしをしらじら照らす

  帰り道背後に迫る満月がわたしを見るさま崩れて欠けた

  汗ばんで湿った制服から薫るわたしの匂いが女性へ変わる

  制服の短いスカートから伸びた二本の足は女へとなる




短歌 シーツの赤月 Copyright 容子 2003-11-20 23:23:39
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