ポストの妖精
丘白月
積み上がった手紙の上でお昼寝
高い壁の上には細長い光窓
薄暗いポストの中は温かい
一通の葉書が妖精の頭に落ちる
あくびしながら目を覚まし
滲んだ宛名をなぞる妖精
そっと差出人の背中を覗くと
すっと飛び出して
追いかけ耳元に囁く
大丈夫?と
ポストの中から溢れた思いは
街中の落ち葉に絡まっていく
妖精は風に乗って配達する
自由詩
ポストの妖精
Copyright
丘白月
2019-10-12 20:32:30