間引き
ミナト 螢

大根は足で
白菜は体

生まれて間もなく
捨てられた子供

口があったなら
哀しみの言葉
誰よりも早く
覚えたのでしょう

陽の当たる場所に
いられる命が
人と同じように
背負う荷物は

値段の付いた
ラベルみたいなもの

みんなと同じ顔で
笑えるかな
それで決まるのが
市場の約束

潰れた個性の
行方が知りたい


自由詩 間引き Copyright ミナト 螢 2019-10-11 07:50:30
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